期末に売れ残りがある場合、その売れ残りの商品を期末商品といいます。
この期末商品の価値が下落している場合、棚卸資産評価損を計上します。
この棚卸資産評価損の法人税法上の取り扱いについて、確認します。
棚卸資産評価損の法人税法上の取り扱い
棚卸資産評価損は、会計上は費用として処理しますが、法人税法上は損金算入することはできません。
また、反対に評価益が出た場合も、法人税法上は益金損金算入することはできません。
棚卸資産評価損を損金算入できる場合
前述したように、通常は、棚卸資産評価損を法人税法上は損金に算入することはできません。
ただし、以下の要件を満たした場合は、期末商品である棚卸資産の評価損を損金算入することができます。
- 災害により著しく損傷したことにより棚卸資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった場合
- 著しく陳腐化したことにより棚卸資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった場合
陳腐化とは棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず、経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しないと認められる状態にあることをいいます。
- 特別の事実が生じた場合
特別の事実とは、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等により通常の方法によって販売することができないようになった場合をいいます。
- 会社更生法や民事再生法等の規定により、評価換えを行う場合
棚卸資産の処分
期末商品をそのままにしておくと、売上原価が減少するので利益が増大し、法人税の負担が増えます、
よって、バーゲンを行って安売りしたほうが、期末商品が減り、売上原価が増加するので利益は減少し、法人税の負担は減ります。
また、手元のお金も増えて、資金繰りも楽になります。
したがって、期末商品は少ないほうがいいのですが、廃棄するような時は、廃棄を証明する書類を残しておくべきでしょう。
まとめ
期末商品の在庫の評価は、売上原価に影響を与えます。
また、棚卸資産評価損を損金算入できれば、法人税の節税につながるので、期末商品が陳腐化しているような場合、要件に該当するかどうかを確認するべきでしょう。