役員と会社との間の取引を法人税の節税につなげることができます。
このしくみについて、確認します。
会社と社長の間のお金の取引
通常、経費の支払いを行う時は、会社のお金で支払います。
ただし、会社のお金ではなく、社長が自分のお金を会社の経費の支払にあてる場合があります。
例えば、1万円の交通費を支払うのに、会社のお金が5,000円しかない場合、不足分の5,000円は社長の自分のお金から支払ったとします。
この時、5,000円分は会社としては、社長から借りた借入金となります。
会計処理として、交通費が1万円なのに、現金を1万円の支出としてしまうと、現金の残高が5,000円のマイナスとなります。
よって、5,000円分は借入金とする必要があります。
この時に、社長は会社に対して、お金を貸していることになります。
したがって、適正な利率であれば、社長は利息を会社からとってもいいことになります。
これは、逆に会社としては、社長に利息を支払うことなり、支払利息という費用として、法人税法上、損金に算入できることになります。
この利息は、必ず計上しなければならないというものではありません。
そして、会社が社長にお金を貸すこともありえます。
この場合は、会社は役員貸付金として処理し、利息を受け取ることになります。
会社と社長の間のリース取引
前述したように、会社と社長の間でお金の取引が発生する場合もありますが、社長個人の車を会社が借りることもありえます。
この場合は、リース契約を結び、リース料として、会社側は費用として、法人税法上、損金に算入することができます。
ただし、社長は受け取ったリース料は、社長個人に雑所得となるので、注意が必要です。
まとめ
会社と社長の間の取引で法人税の節税につなげることができます。
ただし、社長個人の所得になるので、社長の所得税の問題が出てきます。
したがって、極力、会社と社長の間の取引は最小限にしておくべきでしょう。