派遣契約や外注により、人件費を処理すると、消費税が節税できます。
このカラクリについて、確認します。
給与と外注費の違い
給与は、社員に対して支払うもので、経費の勘定としては、「給与」で処理します。
それに対して、外注先に支払うものは、経費の勘定としては、「外注費」ないし「委託費」で処理します。
「給与」は消費税の計算上は、課税対象外ですが、「外注費」は課税対象となります。
仮に、200万円の給与を支払う場合、社員であれば、200万円ですが、外注の場合、
200万円×(1+0.08)=216万円
となります。
よって、派遣業者や外注の場合、16万円余計に支払うことになり、損が出るようにも思えます。
しかし、消費税の計算上は、実は事情が異なります。
この16万円分は、消費税の計算上は、課税仕入れとして控除することができます。
詳細について、次の事例で確認します。
給与と外注費の消費税の扱い
仮に売上高2,000万円の会社があるとします。
この売上高2,000万円に対して、2,000万円×8%=160万円の消費税を預かります。
これに対して、商品の仕入1,000万円、社員への給与200万円、給与以外の経費で課税対象が300万円であったとします。
この時、支払う消費税の合計は、
(1,000万円+300万円)×8%=104万円
となります。
納付する消費税は、160万円-104万円=56万円となります。
これに対して、社員への給与200万円を派遣業者や外注に支払う場合、支払う消費税の合計は、
(1,000万円+200万円+300万円)×8%=120万円
となります。
納付する消費税は、160万円-120万円=40万円となります。
したがって、納付する消費税は、56万円-40万円=16万円の差がつきます。
つまり、16万円が手元に現金として残ります。
外注処理の注意点
人件費を派遣や外注で処理することで、消費税の節税につながります。
ただし、だからといって、形式上だけ、社員を雇用契約から請負契約にするのは、認められません。
実体として、請負であるという形でなければ、外注費として処理しても、給与とみなされる可能性があります。
まとめ
最近では、働く形が多様化してきています。
実質的に、派遣や外注で仕事が賄えるなら、消費税のことも考えて、検討してみてもよいでしょう。