(法人税対策)固定資産の付随費用の処理

固定資産の取得にかかった付随費用は、通常、取得価額に含めることになっています。
ただし、一部、取得価額に含めなくてもよいものがあります。
具体的に事例を確認していきます。

 

取得価額に含めるもの

法人税法上、固定資産の取得価額は、次の金額とされています。

・資産の購入代金
・資産の製造等のために要した原材料費・労務費、経費
・引取運賃、運送保険料、購入手数料などその資産を購入するために要した費用
・据付費、試運転費など事業に供するために直接要した費用
・不動産業者に支払う仲介手数料
・未経過期間の固定資産税の精算分
・土地、建物の取得を目的として支払った立退料等の費用

これらの費用は、固定資産の取得価額に含めなければなりません。
よって、結果的には減価償却の対象部分となり、耐用年数にわたって、費用処理されることになります。

 

取得価額に含めなくてよいもの

法人税法上、以下のものは、固定資産の取得価額に含めなくてもよいとされています。

・不動産取得税、自動車取得税、登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
・資産の取得のために借り入れた借入金の利子
・落成式など事後的に生ずる費用
・資産の取得に関する契約を解除し、その資産を取得した場合のその違約金
・割賦購入資産について、契約で購入代価と割賦利息が明らかに区分されている場合の利息

特に、不動産取得税、自動車取得税、登録免許税その他登記又は登録のために要する費用は、租税公課という費用の勘定で処理します。
これらの費用は、事後的費用で、流通税的なものであったり、第三者に対抗する要件があるため、固定資産の取得価額と言い切れません。
よって、固定資産の取得価額に含めずに費用処理することが認められています。

 

まとめ

固定資産の付随費用は、本来、取得価額に含めるほうが望ましいです。
ただし、取得価額に含めると減価償却の対象となり、費用処理するタイミングが遅くなります。
よって、取得価額に含めなくてよいものは支出した期の費用として処理したほうが、利益を抑えることができ、法人税の節税にもなります。

 

 

 

おかげ様で好評です。税理士が作った節税マニュアル

当サイトの管理人も大変お世話になっている東京の見田村税理士がまとめた節税マニュアルが大変好評です。

20151203202238(株)日本中央会計事務所
絶対節税の裏技77(中小企業編)
http://www.77setsuzei.com/

 

 

世の中には節税に関する情報があふれています。しかし、それらをちょっとかじっただけで分かったつもりになり、中途半端な状態で節税に走るのは非常にリスキーです。

この節税マニュアルは三田村税理士の永年の経験に裏打ちされた節税方法が過不足なくまとめられており、中小企業での経理処理の指針となりうるものです。
なお、この節税マニュアルは法人を対象にしたものであり、個人事業主を対象とした節税ではありませんのでご注意ください。

コメントは受け付けていません。