売上の計上基準
売上の計上金額は大きいほど、利益は大きくなり、法人税の負担は結果として多くなります。
しかし、売上の計上基準しだいで、法人税の節税につなげることも可能です。
売上の計上基準としては、以下のものが考えられます。
・出荷基準
商品を倉庫から出荷したり、トラックに積みこみした時点で売上を計上する基準です。
主に物販業に用いられる基準です。
この出荷基準は、送り状や納品書が裏付けとなる書類として大事なので、保管しておく必要があります。
・検収基準
商品の納入先が商品の品質、数量などを検収し、検収完了の通知を受けた時に売上を計上する基準です。
主に製造業に用いられる基準です。
この検収基準は、検収通知書が裏付けとなる書類として大事なので、保管しておく必要があります。
・使用収益開始基準
商品を販売し、商品の納入先がその商品を使用することが可能となった時点で売上を計上する基準です。
主に不動産業に用いられる基準です。
・工事進行基準
工事の期間が長期間に及ぶ場合、工事の進行程度に応じて、工事収益を毎決算期に計上する基準です。
主に建設業に用いられる基準です。
決算月に売上が大きく見込まれる場合の対処
検収基準は出荷基準に比べて、売上計上のタイミングが遅れるため、売上と利益が抑えられて、法人税の負担は結果として少なります。
よって、出荷基準よりか、検収基準のほうが、法人税の節税につながります。
ただし、期中において、出荷基準にしていたものを法人税の節税という目的だけで、検収基準に変更することはできません。
税法は、あらゆる処理において、継続的に会計基準を適用することを要求しているからです。
したがって、決算月に売上が大きく見込まれる場合などは、前年あたりから検収基準の適用に変更か、決算月の変更を検討するべきでしょう。
まとめ
会社の売り上げは利益に大きなインパクトを与えます。
よって、故意に、過剰ないし過少に計上することはしてはなりません。
ただし、計上基準に見直しにより、法人税の節税につながるので検討するべきでしょう。